縮まらないディスタンス!こむぎと「最強の天敵」

わが家のこむぎには、この世で一番恐れている、いわば「宿命の天敵」がいます。それは、あろうことか私のです。

なぜ実の家族である父が天敵になってしまったのか。そこには、先代犬である「マロン」との思い出が関係しています。マロンはとにかく人懐っこい性格で、誰にどんなにかまわれても喜ぶタイプでした。

父はその感覚のまま、ある日、お酒の勢いも手伝ってこむぎをこれでもかと「かまい倒して」しまったのです。ぐいぐいと距離を詰め、ふざけて絡み続ける父に、慎重派のこむぎはすっかり恐れをなしてしまいました。

普段はどちらかというと忘れっぽい性格のこむぎですが、この時の衝撃(?)だけは魂に刻み込まれている様子。父が部屋に入ってきただけで警戒態勢に入り、最大ボリュームで吠えまくってこれでもかと言わんばかりの敵対姿勢……。その徹底した「天敵認定」ぶりには、家族もつい笑ってしまいます。

一方の父はというと、本当はこむぎのことが可愛くて仕方がありません。「今日こそは!」と、大好きなおやつを片手に歩み寄ってみるものの、こむぎのガードは鉄壁。父が必死に交流を図ろうとすればするほど、こむぎの目には「天敵が新たな罠を仕掛けてきたぞ」と映っているようです。

「いつかマロンみたいに、お父さんと仲良くしてくれたらいいんだけどな」と切ない背中を見せる父。

果たして、こむぎが父の深い愛を理解し、その心の扉を開く日は訪れるのでしょうか。最強の天敵から「大好きなおじいちゃん」に昇格するその日まで、父の(空回りしがちな)奮闘はまだまだ続きそうです。