縮まらないディスタンス!こむぎと「最強の天敵」

わが家のこむぎには、この世で一番恐れている、いわば「宿命の天敵」がいます。それは、あろうことか私のです。

なぜ実の家族である父が天敵になってしまったのか。そこには、先代犬である「マロン」との思い出が関係しています。マロンはとにかく人懐っこい性格で、誰にどんなにかまわれても喜ぶタイプでした。

父はその感覚のまま、ある日、お酒の勢いも手伝ってこむぎをこれでもかと「かまい倒して」しまったのです。ぐいぐいと距離を詰め、ふざけて絡み続ける父に、慎重派のこむぎはすっかり恐れをなしてしまいました。

普段はどちらかというと忘れっぽい性格のこむぎですが、この時の衝撃(?)だけは魂に刻み込まれている様子。父が部屋に入ってきただけで警戒態勢に入り、最大ボリュームで吠えまくってこれでもかと言わんばかりの敵対姿勢……。その徹底した「天敵認定」ぶりには、家族もつい笑ってしまいます。

一方の父はというと、本当はこむぎのことが可愛くて仕方がありません。「今日こそは!」と、大好きなおやつを片手に歩み寄ってみるものの、こむぎのガードは鉄壁。父が必死に交流を図ろうとすればするほど、こむぎの目には「天敵が新たな罠を仕掛けてきたぞ」と映っているようです。

「いつかマロンみたいに、お父さんと仲良くしてくれたらいいんだけどな」と切ない背中を見せる父。

果たして、こむぎが父の深い愛を理解し、その心の扉を開く日は訪れるのでしょうか。最強の天敵から「大好きなおじいちゃん」に昇格するその日まで、父の(空回りしがちな)奮闘はまだまだ続きそうです。

靴下の結界?こむぎの静かなる「かまって攻撃」

わが家の愛犬「こむぎ」は、かなりの甘えん坊。かなりストレートに抱っこのおねだりはしてくるものの、こちらにどうしてもやらなければならないことがあるとかまってあげられないことも。そんな時のこむぎは、小さな頭を必死に働かせ、少し変わった方法で気を引こうとします。

その作戦とは、「靴下運び」

私たちが何かに集中している隙を突いて、こむぎはクローゼットの靴下入れから、靴下を「片方ずつ」こっそりと運び出します。そして、作業している私たちの足元の周りに、一枚、また一枚と丁寧に並べていくのです。

先日、どうしても外せない用事でパソコンに向かって猛烈に作業をしていた時のこと。ふと視線を足元に落とすと、そこには驚きの光景が広がっていました。なんと、私の椅子の周りが色とりどりの靴下で埋め尽くされ、まるで謎の儀式のような「靴下の結界」が出来上がっていたのです!

「コラ、こむぎ! またこんなに出して!」と注意はするものの、本心ではもうメロメロです。

だって、小さな体で一生懸命に引き出しから靴下を引っ張り出し、一枚ずつ大切に咥えて運んでくる姿を想像すると、愛おしくてたまりません。わざと気づかないふりをして、次の一枚が運ばれてくるのを待ってしまうこともしばしば。

結局、最後には山のような靴下の洗濯(やり直し)が待っているのですが、あの「これで気づいてくれるかな?」と言いたげな期待に満ちた瞳で見つめられると、ついつい全てを許してしまう飼い主なのでした。

空を越え、命を繋いで。我が家の天使「こむぎ」との運命

先代のポメラニアン、マロンが旅立ち、家族の心にはぽっかりと大きな穴が開いていました。そんな静まり返った家の中に、再び光を運んできてくれたのが、2022年1月9日生まれのポメラニアン、「こむぎ」です。

出会いは、ふと目にしたペットショップのホームページでした。画面の中にいたのは、マロンのパピー時代と驚くほど瓜二つの赤ちゃん。その瞬間、家族全員が「この子だ」と確信するような、言葉にできない運命を感じたのです。

こむぎがいたのは、飛行機を使わなければならないほど遠い場所。それでも「どうしても家族に迎えたい」という一心で、遥々空を越えて来てもらうことに決めました。しかし、お迎え直前に最大の試練が訪れます。ショップ内で「犬パルボ」が発生したという報せ。幼い命にとってはあまりに過酷な病であり、一時は命も危ぶまれる状況でした。それでもこむぎは、持ち前の強い生命力で見事にそれを乗り越え、私たちの元へ辿り着いてくれたのです。

ポメラニアンにしては少し毛が少なめなのも、こむぎの大切なチャームポイント。その分、抱きしめると彼女の温もりがダイレクトに伝わり、生きている喜びを教えてくれます。性格はどこまでも天真爛漫で、甘え上手。

真面目な姉のくぅにどれだけ冷たく(?)あしらわれても、めげずに尻尾を振るその明るさは、まさに我が家の太陽です。マロンがつないでくれたこの縁を大切に、これからも笑顔あふれる毎日を過ごしていきたいです。